2025年11月18日

脂肪吸引は理想のボディラインを手に入れるための効果的な施術ですが、どんな医療行為にもリスクは伴います。私は脂肪吸引専門医として、患者様が安心して施術を受けられるよう、正確な情報をお伝えすることが重要だと考えています。
この記事では、脂肪吸引の後遺症やリスクについて医学的根拠に基づいた情報をご提供し、それらを最小限に抑えるための対策についても詳しく解説します。
「負担は最小限、効果は最大限に」という私のクリニックの理念のもと、脂肪吸引を検討されている方が知っておくべき重要な情報をお届けします。
脂肪吸引とは?基本的な理解から
脂肪吸引は、カニューレと呼ばれる細い管を皮膚に挿入し、余分な脂肪細胞を吸引して除去する美容外科手術です。この施術は単なる減量ではなく、ダイエットでは落としにくい部分の脂肪を取り除き、理想的なボディラインを形成するためのものです。
脂肪吸引には様々な種類があり、当院ではベイザー脂肪吸引を主に採用しています。これは超音波の力を利用して脂肪細胞を乳化させてから吸引する方法で、従来の脂肪吸引に比べて組織へのダメージが少なく、回復が早いという特徴があります。
脂肪吸引は一度除去した脂肪細胞は二度と再生しないため、リバウンドしにくいという大きなメリットがあります。ただし、残った脂肪細胞が肥大化する可能性はあるため、術後の生活習慣も重要です。
脂肪吸引で起こりうる一般的な後遺症
脂肪吸引は比較的安全な手術ですが、いくつかの一般的な後遺症が生じる可能性があります。これらは多くの場合、一時的なものであり、適切なケアによって改善します。
内出血と皮下出血斑
カニューレで皮下脂肪を吸引する際、毛細血管を損傷して出血することがあります。これにより皮膚表面に打ち身のようなアザが生じることがあります。
内出血は通常10日から2週間程度で自然に消失します。術後は圧迫や冷却を行うことで症状を軽減できます。大規模な脂肪吸引を行った場合は、回復に1ヶ月程度かかることもあります。
腫れとむくみ
皮下組織がカニューレによって損傷を受けると、創傷治癒のプロセスで腫れが生じます。吸引した部位とその周辺が膨らみ、プヨプヨとした触感になることがあります。
腫れは通常1〜2週間程度で徐々に引いていきますが、完全に消失するまでには1〜3ヶ月かかることもあります。術後の圧迫固定やリンパマッサージが効果的です。
皮膚の凹凸
脂肪吸引後、皮膚表面にボコボコとした凹凸が生じることがあります。これは「取りムラ」や「取りすぎ」、あるいは術後の圧迫が適切でないことが原因となります。
軽度の凹凸は時間の経過とともに改善することが多いですが、重度の場合は追加治療が必要になることもあります。当院では手作業による丁寧な脂肪吸引と適切な圧迫固定を行うことで、このリスクを最小限に抑えています。
しびれと感覚の鈍さ
カニューレが末梢神経を損傷すると、施術部位にしびれや感覚の鈍さが生じることがあります。触っても感覚が鈍い、ビリビリとした痺れを感じるなどの症状が現れます。
これらの症状は通常、時間の経過とともに改善しますが、完全に回復するまでに数ヶ月から1年以上かかる場合もあります。ビタミンB12の内服が症状改善に役立つことがあります。
稀に起こる重大なリスクと合併症
脂肪吸引では稀に重大な合併症が生じる可能性があります。これらは発生頻度は低いものの、発生した場合は迅速な対応が必要です。
感染症
脂肪吸引では皮膚を切開するため、細菌感染のリスクがあります。感染が起きると、施術部位の発赤、腫れ、熱感、痛み、膿の形成などの症状が現れます。
感染症のリスクを減らすため、当院では徹底した衛生管理と術前・術後の抗生物質投与を行っています。万が一感染の兆候が見られた場合は、すぐに診察を受けることが重要です。
血栓と塞栓症
脂肪吸引後に血栓(血の塊)が形成され、それが血流に乗って肺などの臓器に到達すると塞栓症を引き起こす可能性があります。これは非常に稀ですが、生命を脅かす合併症です。
当院では術前の詳細な問診と血液検査を行い、リスクの高い患者様を事前に把握しています。また、早期離床の促進や必要に応じた抗凝固療法を実施し、血栓形成のリスクを最小限に抑えています。
内臓損傷
腹部の脂肪吸引では、カニューレが深く挿入されると内臓を損傷するリスクがあります。2009年には70歳女性の腹部脂肪吸引中に腸壁を損傷し、死亡に至った事例が報告されています。
当院では高度な技術と経験を持つ医師が施術を担当し、解剖学的知識に基づいた安全な脂肪吸引を行っています。また、超音波ガイド下での施術も取り入れ、内臓損傷のリスクを極限まで減らしています。
麻酔関連の合併症
脂肪吸引では局所麻酔や静脈麻酔を使用しますが、稀に麻酔薬に対するアレルギー反応や過量投与による呼吸抑制などの合併症が生じることがあります。
2022年には麻酔薬の過量投与により呼吸停止状態に陥り、適切な対応が遅れたことで死亡した事例が報告されています。当院では麻酔科医の監修のもと、患者様の状態を常にモニタリングしながら適切な麻酔管理を行っています。
顔の脂肪吸引における特有のリスク
顔の脂肪吸引は、体の他の部位と比較して特有のリスクがあります。顔には重要な神経や血管が密集しているため、より慎重な施術が求められます。
血腫による気道閉塞
顎下の脂肪吸引では、顔面動脈の枝を損傷すると頚部血腫が生じ、気道が圧迫されるリスクがあります。2022年には、顎下の脂肪吸引後に血腫による気道閉塞で死亡した事例が報告されています。
当院では顔の脂肪吸引を行う際、血管の走行を十分に把握し、エコーガイド下で安全に施術を行っています。また、術後も慎重に経過観察を行い、異常があれば迅速に対応できる体制を整えています。
神経損傷
顔には表情を作る重要な神経が走行しており、これらを損傷すると表情筋の麻痺や感覚異常が生じる可能性があります。特に顎の下部から唇を動かす神経が損傷されると、口が上がらなくなったり曲がったりする症状が現れることがあります。
これらの症状は多くの場合一時的なものですが、完全に回復するまでに1ヶ月以上かかることもあります。当院では解剖学的知識に基づき、神経損傷のリスクを最小限に抑えた施術を行っています。
左右非対称
顔の脂肪吸引では、左右のバランスが非常に重要です。技術が未熟な医師による施術では、左右差が生じて不自然な仕上がりになることがあります。
当院では豊富な経験と高い技術を持つ医師が、顔の解剖学的特徴を十分に理解した上で、左右のバランスに配慮した丁寧な施術を行っています。
脂肪吸引の後遺症を最小限に抑えるための対策
脂肪吸引の後遺症やリスクを最小限に抑えるためには、術前の準備から術後のケアまで、総合的な対策が重要です。
信頼できる医師とクリニックの選択
脂肪吸引の成功は、医師の技術と経験に大きく依存します。豊富な症例数を持ち、脂肪吸引に特化した専門医を選ぶことが重要です。
当院では脂肪吸引専門医として数多くの症例を経験し、国内外の学会で技術発表を行うなど、常に最新の知識と技術の習得に努めています。また、スタッフ自身が施術を受けているという事実も、技術への信頼の証と言えるでしょう。
術前の徹底した検査と評価
脂肪吸引の安全性を高めるためには、術前の詳細な検査と評価が不可欠です。血液検査や心電図などの基本的な検査に加え、既往歴や服用中の薬剤の確認も重要です。
当院では術前カウンセリングで患者様の健康状態を詳しく評価し、リスクの高い方には追加検査や専門医との連携を行っています。また、患者様一人ひとりの体質や希望に合わせた最適な施術計画を立てています。
最新の安全設備と技術の導入
脂肪吸引の安全性を高めるためには、最新の医療設備と技術の導入が重要です。特に麻酔管理や患者モニタリングの設備は、合併症の早期発見と対応に不可欠です。
当院では麻酔科医監修のもと、セントラルモニターによる術中・術後の状態管理を徹底しています。また、カプノメータという呼吸モニタリング機器を導入し、麻酔中の呼吸状態をリアルタイムで監視しています。さらに、エコー(超音波診断装置)を常設し、術後のトラブルにも迅速に対応できる体制を整えています。
術後の適切なケアとフォローアップ
脂肪吸引後の回復を促進し、後遺症を最小限に抑えるためには、適切な術後ケアとフォローアップが重要です。
当院では術後の圧迫固定や内服薬(抗生剤・痛み止め)、消耗品(給水パット等)を施術費用に含め、安心して術後ケアを受けていただける体制を整えています。また、24時間対応の緊急ホットラインを設け、術後のトラブルにも迅速に対応しています。
さらに、定期的なフォローアップ診察を行い、回復状況を確認しながら必要に応じたアドバイスやケアを提供しています。
脂肪吸引の後遺症に関するよくある質問
脂肪吸引を検討される方からよくいただく質問とその回答をまとめました。
脂肪吸引後のダウンタイムはどのくらいですか?
ダウンタイムは施術の範囲や個人差によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。
当院では高い技術と独自の工夫により、最短で翌日から仕事に復帰できるよう、ダウンタイムの短縮に努めています。
脂肪吸引後にリバウンドすることはありますか?
脂肪吸引で除去された脂肪細胞は二度と再生しないため、施術部位が元の状態に戻ることはありません。ただし、残った脂肪細胞が肥大化する可能性はあるため、術後の食生活や運動習慣が重要です。
バランスの取れた食事と適度な運動を心がけることで、脂肪吸引の効果を長期間維持することができます。
脂肪吸引の傷跡は目立ちますか?
脂肪吸引の傷跡は通常、5mm程度の小さな切開で、目立たない場所(耳の後ろや自然な皺の中など)に作られます。当院では特注カニューレを使用し、目立たない位置に傷跡を作ることが可能です。
傷跡は時間の経過とともに薄くなり、多くの場合、数ヶ月後にはほとんど目立たなくなります。ただし、ケロイド体質の方は傷跡が目立つことがあるため、術前のカウンセリングで詳しく評価しています。
脂肪吸引で死亡事故が起きることがあるのは本当ですか?
脂肪吸引による死亡事故は非常に稀ですが、残念ながら発生することがあります。日本でも2009年と2022年に死亡事故の報告があります。主な原因は麻酔関連の合併症、内臓損傷、血腫による気道閉塞などです。
しかし、適切な医師選びと安全対策によって、そのリスクは最小限に抑えることができます。当院では患者様の安全を最優先に考え、徹底した安全対策を講じています。
まとめ:安全な脂肪吸引のために
脂肪吸引は効果的な美容外科手術ですが、どんな医療行為にもリスクは伴います。重要なのは、そのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることです。
安全な脂肪吸引のためには、以下のポイントが重要です。
当院では「負担は最小限、効果は最大限に」という理念のもと、患者様一人ひとりに合わせた安全で効果的な脂肪吸引を提供しています。脂肪吸引をご検討の際は、ぜひ一度当院にご相談ください。
安心・安全な脂肪吸引で、理想のボディラインを手に入れましょう。詳しい情報や無料カウンセリングのご予約は、脂肪吸引の森クリニックまでお気軽にお問い合わせください。
【著者】森 祐揮(もり ゆうき)
【プロフィール】
広島大学医学部医学科を卒業後、横浜旭中央総合病院、慶應義塾大学病院、大手美容外科品川美容外科クリニックにて部長を歴任。さらに Mods Clinic 名古屋院の院長を務めた後、2025年に脂肪吸引の森クリニックを開院。

